喘息・アレルギー外来|草津栗東みらい内科クリニック|草津市・栗東市の内科・呼吸器内科|喘息・睡眠時無呼吸の専門診療

〒520-3024 滋賀県栗東市小柿7-9-11 滋賀中央ビル2F
077-551-5060
WEB予約 デジスマ診療のご案内
ヘッダー画像

喘息・アレルギー外来

喘息・アレルギー外来|草津栗東みらい内科クリニック|草津市・栗東市の内科・呼吸器内科|喘息・睡眠時無呼吸の専門診療

気管支喘息とは

気管支喘息は気道に慢性的なアレルギー性の炎症が生じて、様々な刺激に敏感になり、気管支が狭くなる発作を繰り返す病気です。喘鳴(呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューと鳴ること)や激しい咳、痰が出て呼吸が苦しくなります。
喘息発作は夜間や早朝に出やすいという特徴があります。ひどい発作が起きれば呼吸困難を起こし、命に関わることもあります。炎症を治療しない限りはいつでも繰り返し発作が出現します。さらに炎症が長く続くと、気管支自体が硬くなる「リモデリング」という病態を発症し、息切れが続くようになったり、治療が聞きにくくなります(難治性喘息といいます)。

喘息の原因としてはダニやハウスダスト、ペットの毛、花粉、カビなどのアレルギーによることが多いとされていますが、原因物質が特定できない(特定の原因がない)こともあります。小児喘息のおよそ9割はアレルギーの関与が認められるアトピー型喘息ですが、成人喘息でアレルゲンを発見できるのは6割程度で、残りの4割はアレルゲンを発見できない非アトピー型喘息といわれています。

気管支喘息は治療をせずに放っておくと悪化しますが、適切な薬物治療と自己管理の継続で、これまでと変わらない生活を送ることができます。継続して治療に取り組むことが大切な病気です。

喘息の主な原因や誘因

アレルゲン

  • ダニ
  • ハウスダスト
  • ペットのフケ
  • 花粉
  • カビなど

アレルゲン以外の誘因(悪化要因となるもの)

  • 激しい運動
  • 過労/ストレス
  • かぜなどの感染症
  • 大気汚染
  • 天候/気温の変化
  • 喫煙/受動喫煙
  • 香水などの匂い

以下のような症状にお困りの方は喘息の可能性があります。是非ご相談ください。

  • 息をすると「ゼーゼー、ヒューヒュー」という音がする
  • 風邪を引いていないのに、咳や痰がでる
  • 風邪を引いた後に咳や息苦しさが長引く
  • 早朝や夜間に息苦しくなる。咳が出て眠れない
  • 走ったり運動をすると咳が出て、息苦しく感じる
  • 季節の変わり目や天気によって、咳が出やすい

気管支喘息の診断

気管支喘息の症状は、喘鳴(呼吸の音がゼーゼー、ヒューヒューと鳴る)やしつこい咳や痰、息苦しさが挙げられますが、症状が時間経過によって変動する特徴があります。そのために診察の時には症状が消えてしまっていることもよくありますが、問診(詳しい症状の経過、アレルギーやこれまでの病歴、生活環境の確認など)、診察(聴診)、血液検査(末梢血好酸球数、IgE値、アレルギー検査など)、呼吸機能検査、呼気一酸化窒素(FeNO)検査など必要に応じて行い、総合的に診断します。
肺炎や気管支炎などの感染症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など喘息と似たような症状が出る病気でないことを確認することも非常に大切です。

呼気一酸化窒素(NO)検査

当院では、気道のアレルギー性炎症を調べる検査である、呼気NO(FeNO)検査を導入しています。この検査により、喘息の正確な診断が可能になるだけでなく、治療により喘息のコントロールがうまくいっているかどうかをチェックすることもできます。

気管支喘息の治療

当院の気管支喘息の治療は、症状に悩まされることなく日常を過ごすことができること、気道炎症をコントロールし発作を予防すること、リモデリングによる呼吸機能低下を防ぐこと、を目標としています。そのためには発作が起きてから対応をするだけでなく、発作をなるべく起こさないように長期管理薬(コントローラー)を継続していくことが重要だと考えています。

最近では、ダニアレルギーに対するアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)が喘息に有効であることが分かったり、従来の治療では症状が安定しない難治性喘息に対して分子標的薬がいくつか開発されるなど、喘息治療は進歩しています。当院では、喘息予防・管理ガイドライン(日本アレルギー学会)に沿った、標準的な喘息治療を提供していきます。

主な喘息治療薬

長期管理薬(コントローラー)

  • 吸入ステロイド薬(ICS)
    喘息治療の基本になる薬です。喘息の原因である気道のアレルギー性炎症を抑えます。
  • 長時間作用型β2刺激薬(LABA)(吸入薬)
    気管支を拡張させる作用があります。ICSと組み合わせてで使用することが一般的です。
  • 長時間作用型抗コリン薬(LAMA)(吸入薬)
    気管支を拡張させる効果や痰や分泌物を減らす効果があります。ICSやLABAと組み合わせて使用します。
  • ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)(内服薬)
    気道炎症を抑える効果があります。アレルギー性鼻炎の治療でも使用されます。
  • 生物学的製剤(注射)
    既存の喘息治療だけではコントロールが難しい難治性喘息で使用します。

発作治療薬(リリーバー)

  • 短時間作用性吸入β2刺激薬(SABA)(吸入薬・ネブライザー)
    喘息発作をしずめるために使用する薬で、素早く気管支を拡げる作用があります。
  • ステロイド(内服、点滴)
    SABAを使用しても改善しない発作に対して使用されます。発作の原因となる気道炎症を抑制します。通常、数日から1週間程度の短期間に限定して使用されます。

長期管理薬(コントローラー)は、定期的に使用して発作を予防していく薬です。症状がなくても途中で止めずに続けていただくことが大切です。発作治療薬(リリーバー)は、短時間で症状を改善してくれますが、発作治療薬だけに頼ってしまうと、症状が悪化してしまう可能性がありますので注意が必要です。
喘息治療薬は主に、吸うことで薬を直接気道に届ける「吸入薬」が基本となります。正しく使用しなければ十分な効果を発揮することができませんので、吸入方法をしっかりマスターしておくことも重要です。副作用や使用方法への不安や疑問などがありましたら、お気軽にご相談ください。

アレルギー性鼻炎

季節性アレルギー性鼻炎の原因として多いのが「花粉」で、スギ、ヒノキ、ブタクサ、イネ科の雑草などが原因となります。1年を通して症状がある、通年性アレルギー性鼻炎は、ダニやカビ、ネコやイヌなどのペットが原因となることが多いです。血液検査(特異的IgE抗体検査)により、原因を調べることも可能です。

主な治療薬

  • 抗ヒスタミン薬(フェキソフェナジン、ロラタジン、オロパタジンなど)
    多くの種類がありますがそれぞれ、効果の強さ、内服回数、眠気の出やすさが異なります。効果や副作用の出方、車の運転をするかなどを考慮して選択します。
  • 鼻噴霧用ステロイド薬(アラミスト、ナゾネックスなど)
    即効性はありませんが毎日しっかり使用していくことで効果を発揮します。内服薬と組み合わせて使用することもできます。
  • ロイコトリエン受容体拮抗薬(モンテルカスト、プランルカスト)
    アレルギー性鼻炎の中でも、特に鼻閉(鼻づまり)症状が強い場合に有効です。喘息の治療でもよく使用されています。

アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)

アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)とは、アレルギーの原因となっているアレルゲンを舌の下(舌下)に繰り返し投与することにより、体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげる治療法です。根本的なアレルギー体質改善も期待されます。現在、スギ花粉症およびダニアレルギー性鼻炎に対して治療が行われています。治療は3~5年間行いますが、治療終了後も効果が持続することが期待できます。

スギ花粉アレルギーには「シダキュア」、ダニアレルギーには「ミティキュア」を使用します。シダキュアは花粉飛散時期を避けて治療を開始します。(6月~12月頃)
血液検査などでアレルギーが確定している方が治療の対象になります。心臓病や高血圧症で投薬(β遮断薬)を受けている方、妊娠・授乳中、抗がん剤治療や自己免疫疾患で治療中の方など治療の対象にならない場合がありますので、ご相談ください。

また近年、ダニアレルゲン陽性の気管支喘息に対してアレルゲン免疫療法を行うことで喘息を改善させる効果が示されており、注目されています。喘息治療中の方で、鼻炎症状にお困りの方も是非ご相談ください。(※重症な喘息、症状が安定していない場合には使用できません。)