慢性閉塞性肺疾患(COPD)③:生き生きと過ごしていくための生活習慣について|草津栗東みらい内科クリニック|栗東市小柿の内科、呼吸器内科

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)③:生き生きと過ごしていくための生活習慣について|草津栗東みらい内科クリニック|栗東市小柿の内科、呼吸器内科

慢性閉塞性肺疾患(COPD)③:生き生きと過ごしていくための生活習慣について

COPDは長年の喫煙により呼吸機能が低下していく病気です。症状を改善し、病気の進行を止めるために定期的な通院、吸入薬などによる治療を続けることはとても大切です。

しかしながら、COPD患者は呼吸機能が低下するだけではなく、運動機能が低下してしまったり、栄養状態が悪化したりすることで全身の状態に悪影響がでてきます。

そのため、COPDにかかっていても、そうでない人と同じように元気に生き生きと過ごしていくためには、薬物治療とともに生活習慣にも注意する必要があります。

この記事では、COPDと診断されて治療を受けている方に知っておきたい生活上の注意点について解説します。

禁煙を続けましょう

喫煙を続けている限り、咳や痰、息切れなどの症状は悪化していきます。禁煙によりCOPDの進行は止められます。

禁煙したいのについつい吸ってしまって止められない、自分の意志だけでは禁煙できそうにない場合は「ニコチン依存症」になっている可能性もあります。そのような場合は禁煙補助薬を使った禁煙治療も有効です。

適度に運動をしましょう

COPDと言っても、体の状態は人によって大きく異なりますが、息苦しさ(自覚していない場合あり)によって身体活動量が減ってしまっている方が多いです。

息苦しい→動かない→体力が落ちる→息苦しい→…という悪循環に陥らないことが大切です。息苦しさがひどくならない範囲で体を動かし、体力を維持するようにしましょう。

痩せている方は筋肉量が減り、筋力が低下してしまっていることが多いです。(サルコペニアといいます。)食事摂取(カロリー摂取)を増やすとともに、体操などで体を動かすこと、スクワットなどの筋トレもおすすめします。

COPDに適した食生活は?

肥満の方は運動や食事の適正化により体重を減らすことで、体や呼吸の負担が減り息苦しさが和らぐことがあります。体重をコントロールすることでCOPDに合併した生活習慣病(高血圧症や高脂血症、糖尿病など)の改善にも役立ちます。

COPDの中でも肺気腫が多い方は病状の進行とともに痩せていくことがあります。息苦しさのために食欲が落ちてしまっている場合もあります。そのような方は食事の量を増やすことを勧めますが、量が増やせない方はアイスクリームなど脂分が多いものでカロリー摂取を増やすのも有効です。肉や魚類などのタンパク質摂取を十分確保することも大切です。

予防接種を忘れずに

COPDの方は様々な呼吸器感染症にかかりやすく、また重症化しやすい事が分かっています。予防接種をすることで、感染症にかかるリスクを下げることができますし、たとえ感染症に罹ったとしても重症化を予防する効果もあります。

新型コロナウイルス感染症に対するワクチンは確実に接種しておきましょう。

また、毎年10月ごろから始まる「インフルエンザワクチン」の接種や、65歳以上の方が対象となる「肺炎球菌ワクチン」も忘れずに接種することをおすすめします。

検診も忘れず受けましょう

長期の喫煙がリスクとなる病気はCOPD以外にも、肺がん、高血圧症や脂質異常症などの生活習慣病、心臓病などがあります。特定健診など年1回の健診、肺がん検診などのがん検診は忘れずに受けるようにしましょう。

COPD増悪とは?調子が悪くなったときのこと。

風邪を引いた時などには、息切れ、咳や痰などの症状が悪化することがあります。息の音がゼーゼーいうようになり呼吸困難に陥る場合もあります。

これをCOPD増悪と言い、時には入院治療が必要になる場合があります。風邪を引いてから咳や痰が止まらない、いつもより息切れがひどくてしんどい、などの症状がある場合はかかりつけ医と相談するようにしましょう。

最後に

COPDはそのまま放置すると進行していく病気です。通院されている方の中にも息苦しさのために動けなくなっていく方や酸素が必要になるかた、痩せて元気がなくなっていく方もおられます。

しかしながら、COPDは早期に診断して、適切に対策することで進行を防ぐことができる病気でもあります。定期的な通院治療を継続していくとともに、元気に過ごしていくための生活管理はとても大切だと考えています。

草津栗東みらい内科クリニック 院長 梅谷 俊介
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本呼吸器学会 呼吸器専門医