2026年度インフルエンザ予防接種のご案内
不活化ワクチン・エフルエルダ・フルミストの違いについて
インフルエンザは毎年冬に流行し、高齢者や基礎疾患のある方では肺炎や入院の原因となることがあります。感染そのものを完全に防ぐことは難しいものの、ワクチン接種によって発症や重症化のリスクを減らすことが期待できます。
2026年度からは、従来から使用されている不活化インフルエンザワクチンに加え、高齢者向けの高用量ワクチン「エフルエルダ」が使用できるようになりました。また、小児に対しては、鼻に噴霧して接種する「フルミスト」が2024年シーズンから選択肢となっています。ワクチンそれぞれに特徴があり、年齢や健康状態によって適したワクチンが異なります。
2026年からは当院でも、不活化ワクチンに加えて、「エフルエルダ」と「フルミスト」を扱う予定です。
不活化インフルエンザワクチン
現在、最も広く使用されている注射タイプのワクチンです。インフルエンザウイルスを感染できない状態にした「不活化ワクチン」であり、接種によってインフルエンザを発症することはありません。
長年にわたり使用されており、安全性と有効性について豊富な実績があります。生後6か月以上の幅広い年齢層に接種可能で、インフルエンザ予防接種の標準的なワクチンです。
副反応として、接種部位の痛み、赤み、腫れなどがみられることがありますが、安全性は高いといえます。
通常1シーズンに1回の接種ですが、13歳未満の方は2回接種が推奨されております。
65歳以上の方(および60~64歳で一定の基礎疾患を有する方)は定期接種の対象となっており、自治体の補助があります。
エフルエルダ(高用量インフルエンザワクチン)
エフルエルダは60歳以上を対象とした高用量不活化インフルエンザワクチンです。通常の不活化ワクチンの4倍量の抗原を含んでおり、高齢者で低下した免疫機能でも十分な免疫応答が得られるよう開発されました。
高齢になるとワクチンに対する反応が弱くなることが知られています。エフルエルダはその弱点を補うことを目的としており、高齢者では従来のワクチンよりも高い予防効果が期待されています。
2026年度からは、75歳以上の方において定期接種の選択肢の一つとなりました。75歳以上の方では、従来の不活化ワクチンに加えてエフルエルダを選択できるようになる見込みです。
副反応として、接種部位の痛み、発赤、腫れなどの局所反応が従来のワクチンよりやや多くみられます。また、頭痛、倦怠感、筋肉痛、発熱などの全身症状がみられることがあります。多くは軽度から中等度で、数日以内に改善します。
フルミスト(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン)
フルミストは鼻にスプレーして接種するインフルエンザワクチンです。注射を使用しないため、注射が苦手なお子さんにも選択しやすいワクチンです。
弱毒化した生ウイルスを用いており、鼻や気道の粘膜にも免疫を誘導できることが特徴です。不活化ワクチンと比較して、予防効果が長く持続することも期待できます。
日本での適応年齢は2歳以上19歳未満です。通常は1回の接種で完了し、注射による痛みがないことがメリットです。
一方で、副反応として鼻水や鼻づまりが比較的高い頻度でみられます。また、のどの痛み、咳、くしゃみなどのかぜ症状や、発熱がみられることがあります。これらの症状の多くは軽度で一時的なものですが、接種後数日間は体調の変化に注意が必要です。
また、重い喘息のある方や免疫機能が低下している方などでは接種できない場合があります。
インフルエンザワクチン比較表
|
従来の不活化ワクチン |
エフルエルダ |
フルミスト |
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接種方法 |
注射 |
注射 |
鼻腔スプレー |
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ワクチンの種類 |
不活化ワクチン |
高用量不活化ワクチン |
弱毒生ワクチン |
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対象年齢 |
生後6か月以上 |
60歳以上 |
2歳以上19歳未満 |
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接種回数 |
1回または2回 |
1回 |
1回 |
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定期接種対象 |
65歳以上※ |
75歳以上 |
対象外 |
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特徴 |
標準的なワクチン |
高齢者で高い予防効果が期待される |
注射不要 |
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主な副反応 |
接種部位の痛み、発赤 |
接種部位の痛み、発赤、頭痛、倦怠感、発熱 |
鼻水、鼻づまり、かぜ症状、発熱 |
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高齢者への適性 |
○ |
◎ |
× |
※60~64歳で心臓・腎臓・呼吸器機能障害または免疫機能障害など一定の条件を満たす方も定期接種の対象です。
どのワクチンを選べばよいのでしょうか?
従来の不活化ワクチンは生後6か月以降のどの年齢の方にも推奨されるワクチンです。効果や安全性の実績もあります。
75歳以上の方ではエフルエルダが定期接種化されており、重症化予防の観点からも期待されており、推奨されます。
60歳~74歳の方にも「エフルエルダ」は接種可能です。公費の補助はなく自費(価格未定)となりますが、基礎疾患があり、より確実にインフルエンザの感染や重症化を予防したい場合は「エフルエルダ」を選択してもよいと思います。
また、2歳以上19歳未満のお子さんで注射が苦手な場合には、フルミストという選択肢があります。接種が1回で済むこともメリットですが、副作用として鼻症状やかぜ症状が比較的多いことも知っておく必要があります。
当院でのインフルエンザ予防接種
当院では、2026年10月1日からインフルエンザの予防接種を開始します。今年からは従来のワクチンに加え、エフルエルダ、フルミストの3種類を取り扱う予定です。
どのワクチンを選ぶべきか迷われている場合は、接種当日ご相談いただくことも可能です。
予約方法や値段など詳細については9月ごろからホームページにてご案内予定ですので、いましばらくお待ちください。
草津栗東みらい内科クリニック 院長 梅谷 俊介
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本呼吸器学会 呼吸器専門医
