インフルエンザワクチンって打った方がいいの?|草津栗東みらい内科クリニック|栗東市小柿の内科、呼吸器内科

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インフルエンザワクチンって打った方がいいの?|草津栗東みらい内科クリニック|栗東市小柿の内科、呼吸器内科

インフルエンザワクチンって打った方がいいの?

毎年、10月になると各医療機関でインフルエンザワクチン接種が始まります。コロナ禍以降インフルエンザが流行しないシーズンが続いたこともあり、接種を迷っておられる方も多いのではないかと思います。

この記事では、インフルエンザワクチンについて、その効果や、推奨される人はどんな人か、などについて呼吸器内科医の視点で解説していきたいと思います。

インフルエンザとは?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。コロナ禍以前には、日本で毎年1000万人程度がかかっていると推定されている、身近な感染症です。例年、11月頃から5月頃にかけて流行します。

インフルエンザを発症した場合、発熱、咳、鼻水、喉の痛み、頭痛や倦怠感、全身の筋肉痛などがあります。重症化することもありますが、一般的には自然に治癒します。

抗インフルエンザ薬で治療すると重症化を予防したり、発熱の期間を短くする効果が期待できます。

コロナ禍以降のインフルエンザの流行は?

インフルエンザは毎年流行していましたが、コロナ禍が始まった後の2020/2021シーズン、2021/2022シーズンには、日本ではまったくといっていいほど、インフルエンザは見られませんでした。

インフルエンザが流行しなかったのはコロナ禍で、3密を回避する、手指衛生、マスク着用などの感染症対策が徹底されたり、あるいは厳しい行動制限があったためだと考えられています。しかし、行動制限が解除されたためか、2022/2023シーズンには、3年ぶりにインフルエンザが流行しています。

今後、国全体としては厳しい感染症対策は取られない方向になると思われるため、コロナ以前のように毎年インフルエンザが流行するようになると予想されます。

インフルエンザワクチンの接種が勧められる人

まず最初に結論からいいますと、インフルエンザワクチンを接種するように特に勧められる人は、高齢者、持病を持っている人、10歳以下の子どもです。これらの人はインフルエンザに罹ると重症化するリスクがあるためです。

高齢者や持病を持っている人

以下に当てはまる人はインフルエンザに罹患すると、肺炎になったり、基礎疾患が悪化するなどして重症化しやすいと考えられています。そのため、インフルエンザワクチンを接種して予防することが勧められます。

✔ 高齢者(65歳以上)

✔ 呼吸器疾患(喘息、COPDなど)

✔ 心臓疾患や生活習慣病(心疾患、高血圧、糖尿病など)

✔ がんや血液疾患(白血病、悪性リンパ腫など)

✔ 免疫不全(免疫抑制剤やステロイドを使用中の方、HIV感染者など)

✔ 肝臓疾患(肝硬変など)

✔ 妊娠中の方

子ども

10歳以下の子どもではインフルエンザにかかったときに、けいれんや意識の障害などの症状が現れることがあり、インフルエンザ脳症と言われています。

インフルエンザ脳症は比較的まれですが、発症すると命を落としてしまうことがあったり、脳に後遺症を負ってしまうことがあります。インフルエンザワクチンを接種しておくと、脳症を予防することができます。

医療・介護従事者など

医療従事者や介護施設で働いている方は、施設内での院内感染を予防するために接種が勧められます。ほとんどの施設では、施設内でインフルエンザの予防接種をする機会があると思いますので、確実に受けておきましょう。

基礎疾患のある高齢者を介護している家族の方も、家庭内での感染を予防するためにワクチンを接種することが勧められます。あるいは、小さな子どもがいる家庭でも、子どもと一緒に大人も予防接種すると良いでしょう。

その他

通常の風邪と比較して、インフルエンザは高熱や強い倦怠感、筋肉痛がでることが特徴であるため、発症すると、かなりしんどいです。なので単純に「症状がつらいから予防したい」という理由だけでもワクチンを打っていいと思います。

また、大事な仕事があるから休めない、受験を控えているから罹りたくない、などの理由でインフルエンザの予防接種を受けるのもいいと思います。

インフルエンザワクチンの予防効果は?

65歳以上の高齢者において、ワクチンのインフルエンザ発症阻止効果は34~55%と報告されています。子どもでは、発症を60%程度減らす効果があるとされています。

予防効果は完全ではないので、ワクチンを接種したのに結局インフルエンザに罹ってしまった…ということはめずらしくはありません。

インフルエンザワクチンによる重症化の予防効果は?

ワクチンを接種していれば、インフルエンザに罹ってしまったとしても、症状を軽くする効果が期待できます。また、高齢者においてはインフルエンザに関連した肺炎を予防したり、重症化を予防する効果があります。

実際に、高齢者においてワクチン接種は、インフルエンザに関連した死亡を82%減らすと報告されています。

最後に

インフルエンザは高熱など症状はつらいですが、ほとんどの人は自然に治癒する感染症です。そのため、インフルエンザワクチンはすべての人に接種されなければならない訳ではないと考えられます。

しかし、重症化してしまう人がいることもまた事実です。高齢者や基礎疾患のある方、子どもはなるべく接種することをオススメしますし、その周りの人も接種することで弱い人を守ることができたり、流行を小さくすることができると思います。

インフルエンザワクチンの接種を希望される方はお近くのクリニックや病院でご相談ください。

草津栗東みらい内科クリニック 院長 梅谷 俊介
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本呼吸器学会 呼吸器専門医