未来の子どものための予防接種。先天性風疹症候群を予防するための風しんワクチン接種について。|草津栗東みらい内科クリニック|栗東市小柿の内科、呼吸器内科

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未来の子どものための予防接種。先天性風疹症候群を予防するための風しんワクチン接種について。|草津栗東みらい内科クリニック|栗東市小柿の内科、呼吸器内科

未来の子どものための予防接種。先天性風疹症候群を予防するための風しんワクチン接種について。

大今良時さんの漫画、『聲の形』は聴覚障害をもって生まれた少女へのいじめが題材となった名作です。作品中には、聴覚障害の原因について、「妊娠中のウイルス感染」、「ワクチンを接種していなかったのが原因だ」といった描写があり、妊娠中の風疹感染が原因であったと推測されます。

風疹は予防接種により防げる病気ですが、ワクチン接種率が低い年代があることなどから現在でも散発的に流行しています。そして数は少ないですが、先天性風疹症候群をもって生まれてくる子どもがいます。

今回は、風疹とはどんな病気なのか?先天性風疹症候群を防ぐためにはどうすればよいのか?どんな人にワクチン接種が勧められるのか?など風疹の予防について解説していきます。

風疹(風しん)とは

風疹は風疹ウイルスによる感染症で、発熱やリンパ節腫脹などとともに全身に発疹がでる病気です。風疹ウイルスは飛沫感染や接触感染で伝播し、感染力は比較的強いと考えられています。

風疹は感染症法で5類感染症全数把握疾患に指定されており、診断された場合は全例保健所に届け出ることが義務付けられています。

先天性風疹症候群

風疹の流行で特に問題となるのが、「先天性風疹症候群」です。

妊娠20週頃までに風疹ウイルスに感染すると胎児にも感染し、白内障、難聴、先天性心疾患などの障がいを持って生まれてくる可能性があります。2012年から2013年にかけて全国的に風疹が流行した際には、45人の子どもが先天性風疹症候群と診断されています。

この流行を受けて、厚生労働省は先天性風疹症候群の発症を防ぐことを目標とし、風疹ワクチン接種を推進しています。風疹の流行を防ぐために、より多くの人が風疹に対する免疫を持つことが求められています。

風疹はワクチンで予防できる

風疹ワクチン、または麻疹風疹(MR)ワクチンを2回接種することで免疫を獲得することができ、風疹を予防できます。2回接種することで、1回の接種では免疫がつかなかった人の多くが免疫を獲得できます。

また風疹に罹患したことがある方は風疹に対する免疫を獲得していると考えられます。風疹に感染した確実な記録がある場合には予防接種は不要と考えられます。

母子手帳などで風疹罹患歴やワクチン接種の記録を確認し、接種歴のない方は2回接種、接種歴が1回の方はもう1回追加で接種することをおすすめします。

ワクチン接種の記録がない場合は?

風疹に罹った記録がない、あるいはワクチン接種歴が分からない方は、血液検査で風疹の抗体価を調べることをおすすめします。風疹抗体検査は保険診療の対象外となりますが、自治体からの助成がある場合がありますのでご確認ください。

みらいの子どもを守るために、特に接種が勧められる人

先天性風疹症候群を予防するために、もっとも優先して予防接種しておきたい方はこれから子どもを持つことを希望される女性の方です。そして家族(夫)も接種するとより確実に感染を防ぐことができます。

しかし、風疹ワクチン(麻疹風疹ワクチン)は生ワクチンのため、妊娠している人には接種できません。また、ワクチン接種後は2ヵ月間、妊娠を避ける必要があります。

いつか子どもを持つことを希望されている方は早めにワクチンを接種しておくことをおすすめします。

妊娠のためワクチン接種ができない場合は?

すでに妊娠しているためワクチン接種ができない方、あるいは不妊治療中のためなど避妊期間を設けたくない方もおられるかもしれません。そのような場合には、家族(夫)がワクチン接種することで、家族からの風疹の感染を防ぐことを考えましょう。

検査やワクチン接種の助成

現在(2022年12月)、1962年4月2日から1979年4月1日に生まれた男性を対象に「第5期風しん定期接種」が行われており、公費で風疹抗体検査やワクチン接種が行われています。対象の方にはクーポン券が届くので実施医療機関で検査を受けましょう。

第5期風しん定期接種の他にも、自治体によっては、妊娠を希望される女性やその家族を対象にや風疹抗体検査や風疹ワクチン接種の助成がある場合があります。自治体のホームページなどをご確認ください。

最後に

風しんワクチンを接種することで風しん感染を予防することができることはもちろんですが、それは周りの妊婦やそのお腹の中の子どもを守ることにも繋がります。そして、より多くの人が風しんに対する免疫を持つことで、社会として風しんが流行しにくい状況をつくることもできます。

自治体から風しん検査の無料クーポン券が届いた方は期限内に検査を受けましょう。そして、妊娠を希望される方やその家族の方は風しん予防接種について医療機関でご相談ください。

草津栗東みらい内科クリニック 院長 梅谷 俊介
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本呼吸器学会 呼吸器専門医