健診で脂質異常と指摘されたらどうすればいい?動脈硬化のリスクに備えるための血中脂質検査の考え方|草津栗東みらい内科クリニック|栗東市小柿の内科、呼吸器内科

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健診で脂質異常と指摘されたらどうすればいい?動脈硬化のリスクに備えるための血中脂質検査の考え方|草津栗東みらい内科クリニック|栗東市小柿の内科、呼吸器内科

健診で脂質異常と指摘されたらどうすればいい?動脈硬化のリスクに備えるための血中脂質検査の考え方

「コレステロールが高いといわれたけど、受診した方がいい?」

「中性脂肪が高いと言われたけど何に気を付けたらいい?」

健診結果をみて脂質の異常を指摘されたけど、どうしたらいいのか?放置しておいても大丈夫なのか?不安に思われる方は多いのではないかと思います。血中脂質の異常は、主に動脈硬化の進行に関係し、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管病のリスクになります。

病気のリスクを把握し予防につなげるため、血中脂質検査は、健診特定健診や人間ドック、会社の定期健診などでは必ず含まれています。今回は、脂質検査結果の考え方について説明していきます。

人間ドック学会の判定区分では

まず、人間ドック学会が推奨している判定区分表を見てみましょう。

  A:異常なし  

  B:軽度異常  

  C:要再検査・生活改善  

  D:要精密検査・要治療  

  総コレステロール(mg/dl)  

  判定しない  

  LDL-コレステロール (mg/dl)  

  60-119  

  120-139  

  140-179  

  59以下、180以上  

  non-LDLコレステロール (mg/dl)  

  90-149  

  150-169  

  170-209  

  89以下、210以上  

  HDL-コレステロール (mg/dl)  

  40以上  

  35-39  

  34以下  

  中性脂肪 (mg/dl)  

  30-149  

  150-299  

  300-499  

  500以上  

 

判定は検査数値によってA~Dに分けられます。ちなみに、脂質異常症を治療している方は(E:治療中)と判定します。

正常範囲の場合はA、正常範囲から外れているものの特に問題ない範囲をB、正常範囲から外れて再検査や生活改善が必要と考えられる範囲をC、正常範囲から大きく外れており精密検査や治療が必要な範囲をDとします。

Dと判定された場合には必ず医療機関(内科)を受診することをおすすめします。

総コレステロール(TC)

総コレステロール(TC)とは、血中に含まれるコレステロールの総量のことです。

TCが多いと問題があるように思われるかもしれませんが、コレステロールには「悪玉コレステロール」といって動脈硬化を進行させたり心血管病のリスクになるもの、「善玉コレステロール」といって動脈硬化や心血管病を防ぐ働きのもの、の両方があります。

近年では、コレステロールの総量よりもその内容が重要であると考えられているため、人間ドック学会ではTCは判定しないことになっています。

LDLコレステロール(LDL-C)

血中脂質検査の中で最も重要な項目はLDL-Cです。LDL-Cは「悪玉コレステロール」とも言われ、LDL-Cが高いと心血管病の発症リスクが非常に高くなります。この項目がDとなった場合は必ず医療機関(内科)を受診して治療の相談が必要です。

また、C判定であった場合も3-6ヵ月後の再検査をおすすめします。肥満の方は体重を減らすとLDL-Cが改善することがあるので、再検査の前に減量にチャレンジしてみましょう。

LDL-Cが低すぎる(59以下)と指摘された場合

LDL-Cが低くても病気にかかるリスクが高くなる訳ではありませんが、高度な栄養不足(やせ)がLDL-C低値の原因になっていたり、甲状腺機能の異常が隠れている場合もあります。

LDL-Cが59以下でD判定となった場合にも内科を受診して相談することをおすすめします。

LDL-Cが高いと言われたけど、まだ若いから大丈夫?

LDL-C値には生まれ持った遺伝的体質が大きくかかわっています。そのため、若くても肥満がなくてもLDL-C値が高い方もめずらしくありません。また、このような場合には生活習慣によりLDL-C値を改善させることは難しいことが多いです。

20代、30代の若さで、LDL-C値が180以上になるような方は特に遺伝の影響が強く、家族性高コレステロール血症(FH)の可能性があります。FHの方は非常に心血管病のリスクが高く、若くして心筋梗塞を発症することもあります。

LDL-C値がD判定であれば、若い方であっても一度、内科を受診して治療の相談をされることをおすすめします。

non-HDLコレステロール(non-HDL-C)

採血が食後になってしまったり、中性脂肪値が高い(400以上)とLDL-Cが正確に測定できない場合があり、LDL-Cの代わりにnon-HDL-Cを使用します。non-HDL-Cが高いと判定された場合もLDL-Cと同様に考えるとよいでしょう。

HDLコレステロール(HDL-C)

HDL-Cは「善玉コレステロール」と言われ、動脈硬化を予防したり、心血管病リスクを下げる働きがあります。HDL-Cが低いと、心血管病を発症するリスクが高くなります。薬物治療によりHDL-Cを増やして病気を予防する方法は確立されておらず、HDL-Cを増やすためには生活習慣の改善が重要です。

肥満や運動不足、喫煙によりHDL-Cが減ってしまうことがわかっています。HDL-Cが低いと指摘された方は生活習慣の改善に取り組みましょう。

中性脂肪(TG)

中性脂肪はトリグリセライド(TG)とも言われます。食事から摂取したカロリーや糖質などは体内でエネルギーとして使用されますが、摂取量が過剰になり使いきれなかった分は中性脂肪になります。またアルコール摂取量が多いと中性脂肪が増加します。

TGは150mg以上が高値とされ、心血管病のリスクが上がることが知られています。とくに300mg以上の場合は注意が必要です。

TGは生活習慣を改善すると数値が下がりやすい特徴があり、まずは生活習慣の改善がすすめられます。具体的には、アルコール摂取を控えること、食べ過ぎや肥満に注意することです。

高すぎる中性脂肪は急性膵炎のリスクになる

TGが500以上ある場合は判定D:要治療となります。心血管病発症リスクが高くなるだけでなく、「急性膵炎」を発症するリスクが高くなることが知られています。生活習慣の改善とあわせて薬物治療も考慮されますので、内科を受診することをおすすめします。

最後に

血中脂質の異常は基本的に自覚症状がまったくなく、放置していると突然、心血管病を発症する可能性があります。定期健診などで脂質をチェックすることでリスクを知るよい機会になると思います。

健診で脂質の異常を指摘された方は、これを機に動脈硬化や心血管病を予防するために生活習慣の見直しや治療についてご相談いただければと思います。

 

草津栗東みらい内科クリニック 院長 梅谷 俊介
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本呼吸器学会 呼吸器専門医

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