慢性閉塞性肺疾患(COPD)①:いつの間にか息苦しくなる、肺の生活習慣病について|草津栗東みらい内科クリニック|栗東市小柿の内科、呼吸器内科

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)①:いつの間にか息苦しくなる、肺の生活習慣病について|草津栗東みらい内科クリニック|栗東市小柿の内科、呼吸器内科

慢性閉塞性肺疾患(COPD)①:いつの間にか息苦しくなる、肺の生活習慣病について

階段を上がると息切れがしてしんどい・・・ 

痰が絡んだ咳がつづいている・・・

風邪を引くとゼーゼーいって息苦しい・・・

このような症状が出て困ってないでしょうか。もしあなたが、タバコを吸っている、あるいは昔タバコを吸っていたのであれば、それはCOPDの症状かもしれません。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは?

慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)は長年の喫煙により肺の機能が低下していく病気です。

喫煙によって引き起こされる病気には、肺気腫や慢性気管支炎がありますが、それらの病気により呼吸機能が低下してしまった状態の総称をCOPDと呼ぶようになりました。

肺気腫

タバコの煙には様々な有害物質が含まれており、気管支や肺に炎症を起こします。炎症が続いたために肺が破壊され空気の袋のように変化してしまった状態を「肺気腫」と言います。

肺気腫が増えてくると肺から血液に酸素を取り込む機能が低下してしまいます。また肺気腫により周囲の気管支が圧迫されてしまうことで、呼吸がしづらくなります。

慢性気管支炎

喫煙により気管支に慢性的に炎症が起きた状態を「慢性気管支炎」といいます。炎症により分泌物(痰)が増えて慢性的に咳や痰の症状が続きます。炎症により気管支粘膜が腫れてしまうと気道が狭くなってしまい呼吸しづらくなります。

COPDの症状は?

COPDになると咳が出る、痰がからむ、息切れがするなどの症状がでてきます。さらに喫煙を続けていると、呼吸機能の障害が進行していき、息切れなどの症状がきつくなります。

さらにCOPDが進行していくと、息切れなどの症状により日常生活に支障が出るようになります。次第に体を動かさなくなり、痩せて全身の筋力が低下していきます。(サルコペニアといいます。)血液中に十分に酸素が取り込めなくなり、在宅酸素療法が必要になる方もおられます。

COPDの症状は治療によりよくすることができます。また病状が軽い間に診断し治療を始めることで、症状が進行していくことを防ぐことができます。

どんな人がCOPDになりやすい?

喫煙本数が多ければ多いほど、また喫煙年数が長ければ長いほどCOPDになりやすくなります。そのためCOPD患者は50~60代以降の方が多いです。

COPDは男性に多い病気ですが、これは女性よりも男性の方が喫煙率が高いためです。実際には女性の方がもともと気管支のサイズが小さいことなどから、喫煙者の中では男性より女性の方がCOPDを発症しやすいと言われています。

胎児期、乳幼児期の受動喫煙がCOPD発症のリスクになる

また近年、胎児期(お母さんのお腹の中にいるときに)母体がタバコの煙に晒されていたことや、幼児期の受動喫煙が肺の発達に悪影響を及ぼし、将来のCOPD発症のリスクとなることも報告されています。

妊娠中のお母さんや子どもがいる家庭では、子どもの未来のためにお母さんはもちろんお父さんも禁煙を考えていただければと思います。

最後に

喫煙者の約20%がCOPDになると言われており、COPD患者は全国で約500万人程度と推計されていますが、実際には多くの人は病院での診断や治療を受けていないといわれています。

・過去喫煙をしていた、または現在喫煙している。

・風邪を引いていないのに、痰がからんで咳をすることがある

・走ったり、重い荷物を持ったりすると息苦しくなりやすい

・息がヒューヒュー、ゼーゼーと音がすることがある

このような症状がある方はCOPDの可能性があります。症状に悩まされている方、心配な方は是非一度当院でご相談ください。

草津栗東みらい内科クリニック 院長 梅谷 俊介
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本呼吸器学会 呼吸器専門医

続きの記事はこちらです。是非ご覧ください。↓

慢性閉塞性肺疾患(COPD)②:呼吸機能を悪くしないための早期診断と治療について